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光回線のベストエフォート値(最大速度)とは?

 

光回線を選ぶときは「ベストエフォート値」という言葉についてよく理解しておく必要があります。

 

光回線の各社はベストエフォート値を通信速度として掲げていますが、実際に使う場合の数値(実測値)とは大きく異なるからです。

 

この記事では、ベストエフォート値とは何か、実際の数値を知るにはどうすれば良いかを解説します。

 

 

ベストエフォート値とは?

 

ベストエフォート値とは、「最大限にパフォーマンスを発揮した際の値」という意味の言葉です。「最大限に性能が発揮されたときはこの速度が出ます」という目安となる数値となります。

 

ベストエフォート値と実際の速度は異なる

 

一般的なインターネットサービスでは、加入したユーザー同士で光ファイバーを共同利用することになります。

 

したがって、回線が混んでいるときは通信速度が遅くなる一方、空いているときは快適に利用することができます。しかし、どちらにせよ、ギガ単位の通信速度は出ることはまずありません。「最大○Gbps!」とうたわれていても、その数値で利用できることはないと考えてください。

 

光回線の実測値はどれくらい?

 

千人単位ユーザーによる実測値の測定を行った『RBB SPEED AWARD 2017』では、エリア別に最も高速だったサービスの数値は以下のとおりになっています。

 

<固定回線部門 最優秀賞一覧(エリア別)>

項目名 ここに説明文を入力

 

エリア 最優秀賞受賞サービス 下り速度(Mbps) 上り速度(Mbps)
北海道 auひかり ホーム 133.93 166.63
東北 auひかり ホーム 185.05 265.49
関東 NURO 光 451.59 362.63
北・甲信越 auひかり ホーム 187.35 259.09
東海 コミュファ光 243.75 296.07
近畿 eo光ネット 267.5 291.14
中国 メガ・エッグ 光ネット 337.3 384.19
四国 ピカラ光ネット 120.57 192.46
九州 auひかり ホーム 209.64 263.98
沖縄 フレッツ 光ネクスト 65.16 98.85


参照:http://www.iid.co.jp/news/press/2018/022201.html

 

最優秀賞に名を連ねているのは、すべてベストエフォート値が1Gbps以上のサービスです。それにもかかわらず、最も高い数値はNURO光の451.59Mbpsとなっています。NURO光のベストエフォート値は2Gbpsですので、実測値は5分の1以下となる計算です。

 

通信速度が変わるのはなぜ?

 

通信速度は、利用時間帯や利用環境などさまざまな要因により変化します。たとえば、夕方から夜にかけては多くの人がインターネットを利用するため回線が混雑し、速度は遅くなります。

 

フレッツ光ネクスト時間別の実測値

画像はフレッツ光ネクストの時間別平均実測値ですが、ユーザーの多い夜と、少ない朝では2倍以上速度が違います。データはみんなのネット回線速度より引用しています。

 

連休で渋滞している高速道路をイメージしていただければわかりやすいでしょう。また、同じ回線を利用しているユーザーが密集している地域でも回線が混雑しやすい傾向にあります。「人気のない回線ほど快適に使える」という皮肉も聞かれるほどです。

 

インターネットは、回線を共有する性質上、通信速度をコントロールできるわけではありません。最善は尽くすけれど速度は保証できないというスタンスを取るほかないのです。弁護士が「ご希望の金額を100%勝ち取れる保証はありません。ですが最大限結果にコミットします」というのと同じです。これがベストエフォート型の回線の特徴となります。

 

ベストエフォート型とは違うギャランティー型とは?

 

フレッツ光やauひかりなど一般家庭向けの光回線サービスはすべてベストエフォート型となっています。つまり、公表の通信速度はあくまでも理想であって実測値はそれに遠く及びません。時間帯によっては使用に耐えかねる可能性もあるでしょう

 

一方、「ギャランティー(保証)型」というインターネットサービスもあります。これは、文字どおり通信速度が保証されているタイプの通信方式で、ユーザーは常に安定した速度でインターネットを利用することができます

 

。ただし、ギャランティー型は通信速度が業務に大きく影響する企業や団体を対象に提供されており、基本的に一般家庭向けには提供されていません。ギャランティー型の環境を構築するには莫大な費用がかかるため、家庭で利用するのは現実的ではないからです。

 

通信速度の実測値を測定できるサービス

 

各社で公開している通信速度が理想値に過ぎないとすれば、現在自分が使っている回線の通信速度がどのくらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか。そこで、ここからは通信速度の実測値を測定できるツール、サービスをご紹介します。誰でも無料で使えますので、気になる方はチェックしてみてください。

 

Radish

 

2007年から活動しているStudio Radishが公開している計測ツールです。複数の場所にサーバーを設置しているので、回線速度を知りたいときは近くのサーバー、チューニングの具体を確認したいときは遠くのサーバーと使い分けができます。スマートフォンでも利用できるので、モバイルでの通信環境を知りたい場合におすすめです。

 

http://netspeed.studio-radish.com/

 

ぴかまろ

 

ワンクリックでダウンロードとアップロードの両方をスピーディーに計測してくれるツールです。「速い」「非常に速い」などの評価も出ますので、どの程度の速度が基準になるのか分からなくてもインターネット環境の良し悪しを判断できます。

 

http://xn--u8j4d5ayd.com/q-a

 

wild speed

 

光回線業者などが速度チェックの際によく使っており、測定の精度が高さに定評のある計測ツールです。40秒ほどでダウンロードとアップロード両方の速度ができます。測定結果には、どれだけ安定した状態で測定できたかを表す「測定品質」も表示され、測定環境の良し悪しまで確認することが可能です。

 

http://wild-speed.jp/

 

利用用途別の必要速度

 

実測値を計測してみると、ギガはおろか100Mbpsに達していないことも珍しくありません。ベストエフォート値に比べてずいぶん低い数値だとがっかりする方もいるでしょう。しかし、実は一般的な利用方法ならそれほど速い速度は求められません。用途別に必要な通信速度は、以下の数値が目安だとされています。

 

用途 通信速度
SNS・メール 1Mbps
ホームページの閲覧 〜10Mbps
動画(標準画質) 3Mpbs
動画(HD画質) 5Mbps
動画(4K) 25Mpbs
オンラインゲーム 10Mbps〜

 

 

総じて、50Mbpsもあれば十分なことがわかります。現在のインターネット環境ならメールの送受信やホームページの読込に時間がかかることはまずないでしょう。もし、読込が遅い場合は、ホームページの情報量が極めて重い、もしくはアクセスが集中している可能性が高いです。

 

オンラインゲームについては、通信速度のほかにPing値という反応速度も大きく影響してきます。通信速度に問題はないのにタイムラグが発生するような場合はPing値を測定してみると良いでしょう。以下のツールでは通信速度とPing値を同時に測定することができます。

 

SPEEDTEST
https://www.speedtest.net/

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