「NURO Biz」NURO光の法人向けサービスの評判・利用するメリット・デメリット
2Gbpsの高速通信が魅力のNURO光には、法人向けのサービス「NURO Biz」もあることをご存じでしょうか。NURO Bizはビジネスを円滑に進めるのに役立つさまざまな機能を備えています。この記事では、NURO Bizの基本的な内容からプランごとの特徴や導入例、メリット・デメリットについてご説明します。
NURO Biz とは?
NURO Bizは、NURO光の法人向けのサービスです。法人でも、基本的に個人向けのNURO光(以下、NURO光)に加入することはできるのですが、オフィスビルを利用している場合は対象外となってしまいます。したがって、オフィスビルに入居している企業でNURO光を利用したい場合は、NURO Bizに加入することになるのです。
NURO Bizの対象エリア
NURO Bizは次の1都2府15県で利用することができます。範囲としては、NURO光と同じだと考えて良いでしょう。
〈NURO Biz対象エリア〉
- 関東:1都6県(東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県/茨城県/栃木県/群馬県)
- 東海:4県(愛知県/静岡県/岐阜県/三重県 )
- 関西:2府3県(大阪府/兵庫県/京都府/滋賀県/奈良県)
- 九州:2県(福岡県/佐賀県)
※一部地域とプランを除く
NURO Bizを導入するメリット
NURO Bizには、システム面や機能面でNURO光よりも優れたメリットが備わっています。
光ファイバーを独占できる
一般家庭向けのNURO光では、複数のユーザーで1本の光ファイバーを共有するシェアードアクセス方式を採用しています。したがって、他のユーザーの利用状況によっては混雑が起きて通信速度が不安定になります。これは他社の一般向け光回線でも同じです。
一方、NURO Bizでは、基本的に1本の光ファイバーを加入者が占有できるシングルスター方式を採用しています。したがって、他ユーザーの利用による回線の混雑が起きるはありません。いつでも快適にインターネットを利用することができるでしょう。
固定IPが使用できる
NURO光では、インターネット上の住所となるIPアドレスが変動する動的IPを採用しています。限られたIPアドレスを効率的に運用するためのシステムなのですが、ビジネスで動的IPしか取得できない場合、以下のような問題が発生します。
- 自社でサーバーの構築ができない
- 自社専用のプライベートネットワーク(VPN)が構築できない
- Webサイト運営する際に支障が生じる可能性がある
NURO Bizの主だったプランでは、変動のないIPアドレス(固定IP)を1つ取得できますので、この問題も解消できるでしょう。追加料金を支払えば固定IPを追加取得することも可能です。
通信速度の最低保証がある
一般向けのNURO光の場合、「どんなに通信状況が悪くても、これくらいの通信速度は出ます」という保証がありません。メールさえできないような状況が起こっても、NURO光に責任を追求することはできないのです。プライベートならまだしも、ビジネスでこのような事態があっては困りますね。
一方、NURO Bizでは最低通信速度の保証があるギャランティー型です。プランによって異なりますが10Mpbs通信帯域が確保されています。これは一般的なネット利用なら概ね問題のない数値です。
SLA(サービス品質保証)を標準装備
NURO Bizでは、1ヶ月単位での稼働時間を保証しており、この稼働率を下回った場合は度合いに応じて基本月額料金の一部を返還しています。
稼働率 | 稼働していない時間 | 返金内容 |
---|---|---|
99.90% | 43分以内 | 免責範囲 |
98.0%〜99.9%未満 | 43分〜14時間24分以内 | 基本月額料金の30分の1 |
95.0%〜98.0%未満 | 14時間24分〜36時間以内 | 基本月額料金の10分の1 |
90.0%〜95.0%未満 | 36時間〜72時間以内 | 基本月額料金の3分の1 |
90.0%未満 | 72時間0分1秒以上 | 基本月額料金の全額 |
ただし、事前予告したメンテナンスや自然災害、ユーザーに起因するケースについては対象外です。
セキュリティサービスが充実
個人情報や社外秘を扱うビジネスにおいて、ネットセキュリティは重要な課題です。
「NURO Biz」のセキュリティサービス「NUROセキュリティ」は、UTM(統合脅威管理)やクラウド型サンドボックスなどの最新のセキュリティ機器やセキュリティサービス活用しています。
また、NURO Bizでセキュリティ対策を代行しているため、自身は他の業務へ割くリソースを増やすことができます。
NUROBizを導入する際のデメリット・注意点
NURO開始より費用がかかる
ビジネスに必要な機能が概ね揃ったプランの場合、月額料金や初期費用が最低でもNURO光の3倍以上となります。
NURO光よりも優れているため仕方がない部分ではあるのですが、NURO光と比較・検討している場合は、メリットと費用対効果を天秤にかけて考えた方が良いかもしれません。
利用開始まで時間がかかる
申し込んでから利用できるようになるまでは月単位の期間がかかります。公式HPによると、関東1都6県では約1〜2カ月程度、東海4県と関西2府3県では約2〜4カ月くらいが目安となっています。
プライベートならともかく、ビジネス利用の場合はネットの利用可否が業務に致命的な支障を与える可能性があります。工事が集中する場合などはさらに時間がかかる可能性があるため、できるだけ余裕を持って申し込みをした方が良いでしょう。
各料金プランの特徴と導入事例
NURO Bizのインターネットサービス「アクセス」には大きく分けて4つのプランが用意されています。それぞれの違いは次のとおりです。
プラン | スタンダード | プレミアム | エントリー | NEXT 10G |
---|---|---|---|---|
最大通信速度(下り) | 2Gbps | 2Gbps | 2Gbps | 10Gbps |
最大通信速度(上り) | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps | 2.4Gbps |
最低保証速度(上下) | 10Mbps | 30Mプラン:30Mps | なし | なし |
50Mプラン:50Mpbs | ||||
SLA (稼働時間保証) | あり | あり | なし | あり |
固定IP | 1つ | 1つ | なし | 1つ |
月額料金 | 18,850円 | 30Mプラン:50,000円 | 戸建て:4,743円 | 180,000円 |
50Mプラン:150,000円 | オフィスビル:6,190円 | |||
初期費用 | 150,000円 | 150,000円 | 30,000円 | 150,000円 |
基本工事費 | 50,000円 | 50,000円 | 50,000円 | 50,000円 |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
最低利用期間 | 1年 | 1年 | 2年定期契約 | 1年 |
契約解除料 | 残期間の料金 | 残期間の料金 | 9,500円 | 残期間の料金 |
ここからは、各プランについて詳しくご説明します。
NUROアクセススタンダード
最大通信速度(下り) | 2Gbps |
---|---|
最大通信速度(上り) | 1Gbps |
最低保証速度(上下) | 10Mbps |
SLA(稼働時間保証) | あり |
固定IP | 1つ |
回線タイプ | シングルスター(占有) |
月額料金 | 18,850円 |
初期費用 | 150,000円 |
基本工事費 | 50,000円 |
事務手数料 | 3,000円 |
最低利用期間 | 1年(利用開始月から13ヶ月) |
契約解除料 | 残期間の料金 |
特徴
スタンダードの名前のとおり、最もベーシックなプランです。
- 最低保証速度は10Mbps
- 固定IPやSLAは標準装備
- 光ファイバーを占有可能なタイプ
と、一通りの機能を備えています。一般的なビジネス利用なら過不足はないのではないでしょうか。
最低利用期間が1年(利用開始月から13ヶ月)となっており、この期間内に解約すると残期間の応じた契約解除料を支払う必要があります。
たとえば、10ヶ月目で解約した場合、月額料金の18,850円×3の56,550円が請求されることになります。最低利用期間を過ぎれば解除料は発生しませんので、最低でも1年は利用した方がお得でしょう。ちなみに、利用開始月は料金が発生しません。
導入事例
・映像制作会社:「NUROアクセス スタンダード」を基礎としたインターネットVPNを構築により、速度の向上とコストの削減が実現。既存の回線と組み合わせることで用途に応じて使い分けも可能に。
・エステサロン運営会社:「NUROアクセス スタンダード」の導入により、安定的にクラウドサービスを利用できるネット環境を実現。運用管理者の負荷軽減にも成功。
NUROアクセスプレミアム
プラン | 30Mプラン | 50Mプラン |
---|---|---|
最大通信速度(下り) | 2Gbps | 2Gbps |
最大通信速度(上り) | 1Gbps | 1Gbps |
最低保証速度(上下) | 30Mps | 50Mpbs |
SLA (稼働時間保証) | あり | あり |
固定IP | 1つ | 1つ |
回線タイプ | シングルスター(占有) | シングルスター(占有) |
月額料金 | 50,000円 | 150,000円 |
初期費用 | 150,000円 | 150,000円 |
基本工事費 | 50,000円 | 50,000円 |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
最低利用期間 | 1年 | 1年 |
契約解除料 | 残期間の料金 | 残期間の料金 |
スタンダードプランの最低保証速度を強化したプランです。速度によって30Mプランと50Mプランに分かれており、それぞれ月額料金が異なります。最低保証速度の点以外はスタンダードプランと変わりません。
導入事例
- 航空会社:データセンターに「NUROアクセス プレミアム 30M」を導入することで、5,500台のiPadが通信を行える帯域を確保。
- プラスチック製品および工事資材の販売:「NUROアクセス プレミアム 30M」を導入することで、営業社員を中心に使用するタブレット100台の通信帯域を確保。
NUROアクセスエントリー
建物 | 戸建てオフィス | オフィスビル |
---|---|---|
最大通信速度(下り) | 2Gbps | 2Gbps |
最大通信速度(上り) | 1Gbps | 1Gbps |
最低保証速度(上下) | なし | なし |
SLA (稼働時間保証) | なし | なし |
固定IP | なし | なし |
回線タイプ | シェアードアクセス | シングルスター |
月額料金 | 4,743円 | 6,190円 |
初期費用 | 30,000円 | 30,000円 |
基本工事費 | 50,000円 | 50,000円 |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
契約期間 | 2年定期 | 2年定期 |
契約解除料 | 9,500円 | 9,500円 |
小規模オフィス向けのプランで、オフィスの入っている建物によって内容が異なります。
最大通信速度は他のプランと同じ月額料金が大幅に安いものの、最低保証速度やSLA、固定IPといったNURO Bizならではの機能がありません。回線も、オフィスビルの場合は光ファイバーを占有できますが、戸建てオフィスの場合は他のユーザーと共有する形になります。
他のプランでは最低利用期間を過ぎれば契約解除料は発生しませんが、こちらの場合は2年ごとの更新となり、契約期間内に解約すると9,500円の契約解除料が発生します。全体的に一般向けのNURO光に近い内容のプランです。
〈導入事例〉
- ネット看視会社:「NUROアクセス エントリー」を導入することで、高速通信でのスマートデバイス運用試験が低コストで可能に。
- 映像制作会社:社員や来客のインターネット利用回線として「NUROアクセス エントリー」を導入。
NUROアクセスNEXT 10G
最大通信速度(下り) | 10Gbps |
---|---|
最大通信速度(上り) | 2.4Gbps |
最低保証速度(上下) | なし |
SLA (稼働時間保証) | あり |
固定IP | 1つ |
月額料金 | 180,000円 |
初期費用 | 150,000円 |
基本工事費 | 50,000円 |
事務手数料 | 3,000円 |
最低利用期間 | 1年 |
契約解除料 | 残期間の料金 |
次世代の伝送規格「XG-PON」を採用したことにより、他プランの5倍の通信速度でインターネットが利用できるプランです。これほどの超高速通信なら通信速度の面での不安はなくなるでしょう。ただし、東京都の一部エリアでしか利用することができません。
〈NEXT 10G 対象エリア〉
東京都(港区/渋谷区/新宿区/世田谷区/千代田区/中野区/板橋区/品川区/文京区/豊島区/目黒区/練馬区)
10Gbpsという通信速度は魅力的ですが、現状のネット環境ではオーバースペックとも言える数値です。月額料金も格段と上がることから、十分に費用対効果を得られる企業は少ないでしょう。通信量が大きくなる5G時代を見据えたコンテンツを作成するような事業では活用できるのではないでしょうか。
〈導入事例〉
・未公開
NURO Bizの公式サイトのキャンペーン
2年の利用で初期費用が無料に
NUROアクセスすべてのプランで初期費用が実質無料になるシステムを採用しています。条件は24ヶ月(2年間)利用し続けること。
もし、途中で解約した場合は初期費用を24ヶ月で分割した金額に残月分の期間をかけた金額を支払わけなければなりません。たとえば、スタンダードプランを12ヶ月で解約した場合、次の計算のとおり75,000円を支払うことになります。
(初期費用150,000円÷24ヶ月)×(24ヶ月−12ヶ月)=6,250円×12=75,000円
基本工事費半額キャンペーン
期間限定のキャンペーンです。2019年7月より「NUROアクセス」の提供が九州2県で開始したことを記念して、スタンダードプランとプレミアムプランの基本工事費50,000円が半額になります。
- 特典内容:基本工事費が半額
- 対象サービス:NUROアクセススタンダード、NUROアクセスプレミアム
- 対象:法人の加入者
- 期間:2019年7月31日(水)まで
オフィス移転&オフィス新設支援キャンペーン
こちらのキャンペーンは、特に期限が設けられていません。オフィスを移転または新設を検討しており、NURO Bizに候補物件への導入可否調査を依頼した企業が対象です。新規契約に限り、調査実施後に対象サービスを申し込むと基本工事費50,000円が半額になります。
- 特典内容:基本工事費が半額
- 対象サービス:NUROアクセススタンダード、NUROアクセスプレミアム
NURO Biz紹介キャンペーン
紹介した他社が3カ月以内に対象サービスを契約し、さらに3カ月以内にサービスが開通した場合、初回月額料金の入金確認後に契約サービスに応じたソニーポイントを受け取ることができます。ソニーポイントは、ソニーストアで1ポイント=1円で使用できるポイントです。対象サービスとポイントは以下のとおりです。
- エントリー:5,000 ポイント
- スタンダード:20,000 ポイント
- プレミアム30M:30,000 ポイント
- プレミアム50M:50,000 ポイント
NURO Bizの評判
ネット上のNURO Bizの評判を集めると速度に関するポジティブな意見が目立ちました。2Gbpsという通信速度に加えて、回線の独占による安定感に魅力を感じる人が多いようです。その一方で、短時間とはいえ障害が起きるのがネックという意見もありました。
オフィスの無線LAN 400MbpsちかくiPhoneでも出る。iPhoneもヤマハのルーターとアクセスポイントもNURO Bizも優秀 pic.twitter.com/CLhasHOu0o
— Koichiro, Sumi (@sumyapp) 2017年5月12日
オフィスの無線LAN 400MbpsちかくiPhoneでも出る。iPhoneもヤマハのルーターとアクセスポイントもNURO Bizも優秀 pic.twitter.com/CLhasHOu0o
— Koichiro, Sumi (@sumyapp) 2017年5月12日
やっぱ、1GbpsちゃんとでるNUROはいいわ。フレッツはダメだわ。でもまあ、NUROはサポートダメなのと、法人向けのbizの短時間でも障害やメンテの数が多いので、iDCへの引き込み回線としては使えないんだけど、普通に仕事に使う回線であれば、AU光みたいな上り制限とかもないし、現状一択だわ。
— K.Matsudo (@kterm) 2018年2月20日
まとめ
ビジネス用にネット回線を導入する場合、時間帯や環境に左右されず安定して利用できるか重要な要素となります。その点で、2Gbpsという通信速度と光ファイバー占有という強みを持つNURO Bizはとても頼れる存在と言えるのではないでしょうか。