1.LANケーブルの選び方
LANケーブルはルーターやパソコンをインターネットに接続するために必要なものです。
最近ではWi-Fiを使ってインターネットに接続する方も増えていますが、速度を気にするのであれば有線での接続がオススメです。さて、そんなLANケーブルの選び方ですが初めから長さで選ぶことは控えてください。まずは、「使用場所」から選びましょう。
◇使う場所に合っているケーブルを選ぶべし
LANケーブルにはさまざまな種類が存在します。丸みを帯びた形状のものであったり、平べったい形状のものだったりと多種多様です。ケーブルは衝撃に弱いデメリットがあるのですが、丸みを帯びた形状のものよりかは平べったい形状の方が衝撃に強いといわれています。まずは、LANケーブルを使う場所で選ぶようにしましょう。
<LANケーブルの種類と特徴>
ケーブル名 |
特徴 |
---|---|
UTPケーブル(基本形状) | 外部の電波と干渉しやすいが、長距離の配線でも安心できる |
STPケーブル | 外部の電波を遮断するシールドが入っているため、信号ロスを最小限に抑えられる |
2重シールドケーブル | シールドが2重になっているため、STPケーブルより外部からの電波干渉に強みがあります。安定感と通信の速さが実感できるでしょう。 |
フラットケーブル | 踏みつけなど衝撃に強く隙間を通すのにぴったり。フラットケーブルは平べったい形状。 |
巻取りケーブル | ケーブルを巻き取って収納できるため携帯性に優れている。 |
高屈曲ケーブル | 複雑な配線でも問題なし。曲げに強い特徴がある。 |
(参考:PreBell)
距離で選ぶ
LANケーブルの長さはまちまちです。0.5mのものもあれば10mのものもあります。LANケーブルは安売りされていることもあり、比較的安価に手に入れやすい周辺機器です。
引っ越しや模様替えなどで必要な長さが変わってくることが分かっているのであれば、長めのLANケーブルを買うと良いでしょう。実際に設置をしてみるとケーブルが余ってしまうかもしれません。そんな時、ケーブルを丸めて束ねておくと、ケーブル間で電波干渉が起きてしまい、伝送能力が低下してしまう恐れがあります。
ケーブルを束ねる際にはなるべく大きな円を描く感じで、結束バンドで縛っておくと良いでしょう。
理想なのは「適切な長さを事前に調べてその長さ分だけ購入する」ことなのですが、まだ使えるものを模様替え等で長さが足りないからと廃棄するのはもったいないので、ちょっと余裕を持たせておきましょう。
最大通信可能速度で選ぼう
LANケーブルを選ぶうえで最も大事なことは「最大通信可能速度」です。LANケーブルにはそれぞれ“カテゴリー”が存在します。市販されているLANケーブルすべてに振り分けられており、カテゴリーによって最大通信可能速度も変わります。
適切なカテゴリーのLANケーブルを選ばなければ、せっかくのスペックが台無しになることもあるでしょう。カテゴリーの種類や最大通信可能速度は次の章でご紹介します!
2.カテゴリーの種類と速度
◇CAT(カテゴリー5)
通信速度:100Mbps
光通信が普及する前に利用されていたカテゴリーです。最大通信速度は100Mbpsとかなり遅く、現在のインターネット環境では中々適合しません。
◇CAT5e(カテゴリー5e)
通信速度:1Gbps
CAT5eはカテゴリー5を改良して作られたLANケーブルです。最大通信速度は1Gbpsと現在はCAT5eもしくは後述するCAT6が主流になりました。光通信の最大通信速度は1Gbpsなので、CAT5eであれば問題なく利用できるでしょう。
◇CAT6(カテゴリー6)
通信速度:1Gbps/10Gbps(CAT6e)
CAT5eより性能が高いとされているのがCAT6です。通信速度は1Gbpsと変わらないのですが、サーバーなどより高速な通信環境が求められる場所で使われています。なおCAT5eと比較すると、CAT6の方が効率よくデータ転送ができるようになっているので、快適性を求めるならCAT6がオススメです。
◇CAT7(カテゴリー7)
通信速度:10Gbps
最新規格のCAT7は最大通信速度が10Gbpsと化け物級です。オンラインゲームなど出来る限りラグを抑えたい方に向いているケーブルといえるでしょう。もしオンライン動画を見たり、ネットサーフィンをしたりする程度であればCAT7のスペックは必要ないかもしれません。
3.LANケーブルの延長
LANケーブルは伸ばせないと思われがちですが、実は延長できます。ここではLANケーブルの延長アイテムをご紹介します。
◇中継コネクタを使う
LANケーブルを延長させるためには中継コネクタを使うと手っ取り早いでしょう。中継コネクタとは、小さな四角い箱のようなもので、ケーブルとケーブルをつないでくれるアイテムです。2本のLANケーブルを直列連結する形で使用します。価格もそこまで高くなく1個あたり500円から700円程度で手に入ります。
中継コネクタを購入する際には必ず「互換性があるか」を確認しましょう。例えば延長したいケーブルのカテゴリーがCAT6でもコネクタがCAT5eまでしか対応していなかった場合、認識されません。もしコネクタを購入するのであれば、将来的なことを見据えてCAT7まで対応しているものを買うと良いでしょう。
◇スイッチングハブを使う
中継コネクタ以外にもLANケーブルを延長する方法があります。それはスイッチングハブを使う方法です。現在使っているLANケーブルをスイッチングハブにつなぎ、新しいLANケーブルを差し込めば延長できます。
しかし、スイッチングハブは電源を必要とするため、近くにコンセントが無ければ使えません。さらにACアダプターが大きすぎてしまい他のコンセントの差し込み口までふさいでしまうかもしれません。
◇中継コネクタ付きLANケーブルを使う方法も
実は中継コネクタとLANケーブルが一体になった製品も発売されています。
これであれば新しく追加用のLANケーブルを買わずに済みます。お値段も700円〜とリーズナブルに買えるためお得ではないでしょうか。しかし、付いているLANケーブルの長さは限られてしまうため、ある程度長さが必要という場合には不向きです。